猫の視力を保つには、眼圧上昇や緑内障の初期症状を認識することが最も重要です。緑内障は眼圧 (IOP) の上昇を特徴とする病気で、視神経に回復不可能な損傷を与え、失明につながる可能性があります。この病気の微妙な兆候を理解することで、獣医による迅速な介入が可能になり、罹患した猫の予後を大幅に改善することができます。したがって、猫の目の健康に用心深く注意を払い、観察することは、猫の全体的な健康にとって不可欠です。
🩺猫の緑内障について
緑内障は、眼球内の房水と呼ばれる液体が適切に排出されない場合に発生します。この液体の蓄積により眼球内の圧力が上昇し、視神経が損傷します。この神経は、視覚情報を眼球から脳に伝達します。視神経が損傷すると、視力低下が進行します。早期の診断と治療は、この病気を管理し、進行を遅らせるために重要です。
猫の緑内障には、主に原発性と続発性の 2 種類があります。原発性緑内障は犬に比べて猫では一般的ではなく、遺伝性であることが多いです。続発性緑内障はより一般的で、他の基礎的な眼疾患が原因で発生します。これらの疾患には次のものがあります。
- ぶどう膜炎(眼球内部の炎症)
- 水晶体脱臼(水晶体のずれ)
- 眼内腫瘍
- 眼の外傷
👁️眼圧上昇の兆候を認識する
猫は痛みや不快感を隠すのが得意なので、眼圧が高いことを早期に発見するのは難しい場合があります。しかし、猫の行動や外見に細心の注意を払うことで、潜在的な警告サインを特定することができます。これらのサインは、目の微妙な変化から、より顕著な行動の変化まで多岐にわたります。
微妙な兆候
- 目を細める:眼圧が高い猫は目を細めたり、片目または両目を部分的に閉じたりすることがあります。これは多くの場合、痛みや不快感の兆候です。
- 涙や目やにの増加:涙や目やにの過剰な増加は、眼圧の上昇に関連する刺激や炎症の兆候である可能性があります。
- 角膜の曇り:目の前面の透明な部分である角膜が曇ったり、かすんだりして見えることがあります。この曇りは、角膜内に液体が溜まった結果です。
- 瞳孔の拡張:片方または両方の瞳孔が拡張 (拡大) し、光に反応しなくなることがあります。これは視神経の損傷を示す重要な指標です。
もっと明白な兆候
- 目の充血:圧力の増加と炎症により、目の白い部分 (強膜) が赤くなったり充血したりすることがあります。
- 眼球肥大(牛眼症):慢性の場合、患側の眼球がもう一方の眼球より著しく大きくなることがあります。この肥大は、持続的な高圧により眼球が引き伸ばされることによって生じます。
- 痛み:猫は痛みを隠すのが得意ですが、食欲が減退したり、頭の周りを触られるのを嫌がったり、普段の行動が変わったりするなどの兆候が現れることがあります。
- 視力喪失:猫は物にぶつかり始めたり、慣れた環境を移動するのが困難になったり、動き回ることを嫌がるようになることがあります。
🐾注意すべき行動の変化
身体的な兆候以外にも、猫の行動の変化が眼圧上昇や緑内障の兆候となることもあります。こうした行動の変化は、病気に伴う不快感や視力低下から生じることが多いです。こうした変化を観察することで、早期発見のための貴重な手がかりを得ることができます。
- イライラの増加:痛みを感じている猫は、普段よりもイライラしたり攻撃的になったりすることがあります。近づいたり触られたりすると、シューッという音を立てたり、叩いたり、噛んだりすることがあります。
- 無気力:猫の元気がなくなり、眠ったり休んだりする時間が増えます。また、飼い主と遊んだり交流したりすることへの興味も薄れることがあります。
- 食欲不振:痛みや不快感により食欲が減退することがあります。猫は食べる量が減ったり、まったく食べなくなったりすることがあります。
- 毛づくろいの習慣の変化:体調の良くない猫は毛づくろいを怠り、毛がもつれたり、手入れが行き届いていない状態になることがあります。
- 不器用さ:視力が低下すると、猫は不器用になり、物にぶつかる頻度が高くなります。また、距離の判断が難しくなることもあります。
🩺診断と治療
猫の眼圧が高い、または緑内障の疑いがある場合は、すぐに獣医の診察を受けることが重要です。獣医は眼圧計を使用して眼圧を測定するなど、徹底的な眼の検査を行います。この装置は眼の表面に軽く触れて、眼圧を測定します。
その他の診断テストには以下のものがあります:
- 隅角鏡検査:この検査では、眼の排水角を検査して、障害物を特定します。
- 眼底検査:眼の裏側(網膜と視神経)を検査して損傷の兆候がないか調べます。
- 血液検査:これらの検査は、続発性緑内障の原因となっている可能性のある根本的な全身状態を特定するのに役立ちます。
猫の緑内障の治療法は、症状の重症度と根本的な原因によって異なります。治療の主な目的は、眼圧を下げて痛みを和らげることです。治療法には以下のものがあります。
- 薬物療法:点眼薬や経口薬は、眼球内の液体の生成を減らしたり、排出を促進したりするのに役立ちます。
- 手術:場合によっては、体液の排出を改善するために手術が必要になったり、重度の痛みや失明を引き起こしている場合は、患側の眼球を摘出する手術 (眼球摘出) が必要になることがあります。
🛡️予防と管理
原発性緑内障は避けられないことが多いですが、続発性緑内障を予防し、効果的に管理するために実行できる手順があります。定期的な獣医による検査は、目の問題やその他の根本的な健康問題の早期発見に不可欠です。ぶどう膜炎や水晶体脱臼などの症状を迅速に治療することで、続発性緑内障の発症を防ぐことができます。
猫が緑内障と診断された場合、獣医の治療計画を注意深く監視し、順守することが重要です。これには、処方どおりに薬を投与し、眼圧と眼の全体的な健康状態を監視するためのフォローアップ診察を受けることが含まれます。視覚障害のある猫にとって安全で快適な環境を作ることで、生活の質も向上します。
❓よくある質問(FAQ)
初期症状としては、目を細める、涙が増える、角膜が曇る、瞳孔が広がるなどがあります。これらの症状は微妙な場合もあるため、注意深く観察することが重要です。
はい、緑内障に伴う眼圧の上昇は猫にとって非常に苦痛です。痛みは、イライラや無気力の増加など、行動の変化として現れることがあります。
緑内障は治癒できませんが、薬物療法や手術によって眼圧を下げ、病気の進行を遅らせることで管理できます。早期介入が視力維持の鍵となります。
続発性緑内障は、ぶどう膜炎、水晶体脱臼、眼内腫瘍、眼外傷など、他の基礎的な眼疾患によって引き起こされます。
緑内障は眼圧計で眼圧を測定することで診断されます。また、隅角鏡検査や眼底検査などの他の検査も実施され、排水角を評価したり眼の裏側を調べたりすることがあります。
獣医師の治療計画に厳密に従い、処方どおりに薬を投与し、すべてのフォローアップ診察に出席してください。特に視力が低下している場合は、猫にとって安全で快適な環境を作りましょう。